昨年発売された、シマノのベイトフィネスリール、17スコーピオンBFS XG。
今更ながら、使用してみてのインプレをしたいと思います。
細かいインプレを読むのが面倒な方の為、結論だけ先に言いますと、予算で合うなら買いです。
おすすめできるベイトフィネスリールと言えます。
この記事の目次
スコーピオンBFS XGのスペック
ギア比(XG/ノーマル) | 8.2/6.3 | 最大ドラグ力(kg) | 3.5 |
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自重(g) | 165 | スプール寸法(径mm/幅mm) | 32/22 |
フロロ糸巻量(lb-m) | 8-45 | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | XG:82 ノーマル:63 |
ハンドル長(mm) | 42 | ベアリング数S A-RB/ローラー | 7/1 |
本体価格(円) | 35,000 |
ギア比の違う2機種 × 左右ハンドルの計4機種のラインナップです。
値段的にもアルデバランBFSのコスパモデルという位置づけでしょうか。
特徴
FTB
上位機種の16アルデバランBFSでも採用されたシマノの新ブレーキシステム、FTB(フィネスチューンブレーキシステム)が採用されています。
このFTB、なんとマグネットブレーキなんです。
シマノと言えば遠心ブレーキというイメージで、実際DCを除けばバス用リールは、ほとんど全て遠心ブレーキでした。
※一部、入門者向けリールでマグネットブレーキ採用のものもありました
そんなシマノがマグネットブレーキ。
それだったら、ずっとマグネットブレーキを採用してきた、ダイワの方が、マグネットブレーキを熟知しているし、技術力も高いのでは?と思ってしまいがち。
しかし、このFTBは、マグネットブレーキながら、回転数に応じて、適切なブレーキがかかるので、遠心ブレーキと同じようなフィーリングでキャスト可能という売り文句です。
そして、通常(出荷時)6個のマグネットがついていますが、ブレーキ力を強めたい場合は、追加でマグネットを装着できる仕組みです。
こちらは、アブのリールにも採用されている仕組みです。
軽量ルアーをキャストする為には、立ち上がりの早い軽量スプールが絶対条件。
このFTBは、スプールを軽量化する為にスプール側にはブレーキユニット等、何もつけず軽量化を図っています。
その重量は、なんと8.9g(ベアリング除く)
驚異的な軽さ。
スペック上は、ダイワに全く引けを取らないように見えます。
とは言え大事なのは、実際のキャストフィールとピッチングのしやすさ、飛距離。
そちらは、↓の飛距離の項目で解説します。
エキサイティングドラグサウンド
本来ベイトリールのドラグは、グッグッ!と出ていく感じで、スピニングリールのドラグと比べるとスムーズさに掛ける。
また、スピニングリールは、ラインが出る時に「チリチリ」とドラグ音がなるので、どれくらい引かれているか、ドラグの強さは適切か?が音で判断できました。
このスピニングにあってベイトにない、音とスムーズさという、ドラグの特徴をベイトにも搭載したのが、エキサイティングドラグサウンドです。
簡単に言うと、ドラグが出る時に音が鳴るだけなのですが、音のおかげでドラグがスムーズに出ているかわかり、また、魚の進行方向がわかりにくい夜釣りでも音は役に立ちます。
そして、何より、ドラグ音は、釣り人のテンションを上げます。
案外、こういう小さなところが釣果につながるかもしれません。
実際、使ってみて、これは絶対あった方がいい!と思える機能です。
自重
自重は165g(ブレーキマグネット6個の状態)と軽量です。
上位機種のアルデバランが、130gと脅威的な軽さを誇るので、かなり差はありますが、ベイトフィネスの入門機的な立ち位置としては、充分でしょう。
対抗機種のダイワ アルファスエアも165gなので、特別重い軽いはないと言えます。
X-SHIP
巻き上げパワーの伝達力が高い、X-SHIP採用なので、巻き心地もよく。
デカバスが掛かっても問題なくやり取りできます。
アルデバラン BFSとの比較
では、上位機種のアルデバランBFSと比較すると、実はスペック上は、ボディ素材とそれによる自重の違い、ベアリング数以外ないのです。
アルデバランは、CI4+ という超軽量素材を使用している為、130g という軽さ。
スコーピオンBFSは、165g とその差は35g。
そして、ベアリング数は、アルデバランが、SA-RBが9個。
スコーピオンが、7個と2つの違い。
もちろん、ボディ形状は違うので、どちらがパーミングしやすいというのは各々違いますが、明確な違いはこれだけです。
実際に、フィッシングショーでシマノのスタッフの方が、「ボディ素材以外はほとんど一緒。飛距離も変わりません。」と言っています。
ただし、ベイトフィネスで軽量ルアーを飛ばすには、スプールの初速が早いので、しっかりとロッドを振りぬく必要があります。
両手持ちオーバーヘッドキャストよりも、片手でサイドハンドキャストすることが多くなるので、軽量タックルの方が振り抜きやすいです。
そのため、実際は、軽量なアルデバランBFSの方が結果的には、若干飛距離が伸びる可能性があります。
アルデバランBFSとスコーピオンBFSどちらがおすすめ?
身も蓋もないですが、予算が合う方がおすすめです。
スコーピオンBFSは、実売23,000円 ~ 25,000円で販売されていて、アルデバランBFSは、30,000円前後。
+6,000円~7,000円を高いと思うなら、スコーピオンBFS。
安いと思うなら、アルデバランBFSがおすすめです。
使用してのインプレ・レビュー
1番気になる飛距離
やはり一番気になるのは、軽量ルアーの飛距離だと思います。
しっかり計測したわけではないですが、いろいろと投げてみた結果、充分すぎる飛距離が出ます。
ダウンショット(1.8g+レッグワーム) | 約25m (スピニングと変わらない飛距離) | ||
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スプリットショット(1.5g+3inワーム) | 約20m強(スピニングと変わらない飛距離) | ||
ノーシンカー | ゲーリー4inグラブ:約15m ゲーリーイモグラブ:約12m OSPマイラーミノー3.5in:約15m |
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エバーグリーン スピンムーブシャッド | 約35m(スピニングよりも飛ぶ) | ||
スモラバ(1.8g+2inパワーバルキーホッグ) | 約20m(スピニングと変わらない飛距離) |
イモグラブに関しては、4inグラブのテールをちょん切っての逆付で、自重が軽くなった分飛距離はあまり出ませんでした。
全体的にスピニングリールと変わらない or スピニングリール以上に飛距離が出る間隔があります。
ただし、アキュラシー無視のただ飛ばすだけなので、参考値程度に考えてください。
ピッチングのしやすさ
3in前後の軽量なノーシンカーワームは5m位の超近距離であれば、ピッチングもスキッピング問題なくできます。
ただ、それ以上距離があると、結構サミングがシビアです。
逆にダウンショットやスモラバなど、シンカーがついていて、トータルウエイトが4g前後のものは、ピッチングでも正確にキャストできるので、スピニングタックルよりもメリットはあります。
小型のノーシンカーワームをある程度距離があるところから、スキッピングやピッチングで入れたい時は、絶対ノントラブルのスピニングです。
後は、左右上下に障害物があって、ロッドを振るスペースがほとんどない場合もトラブルないスピニングが良いと思います。
逆に言うとそれ以外は、スコーピオンBFSのベイトフィネスの方が比較的太目のラインを使えて、キャスト精度もいいのでおすすめです。
ブレーキセッティングについて
購入前、事前にネットで口コミ・レビューを見てて多かった意見。
「ブレーキマグネットは、出荷時の6個は、ピッチング専用、キャストするときは8個じゃないと使い物にならない」
というレビュー。
これを見て、6個にしようか8個にしようか悩んだ末、メーカーが出荷時に6個なんだから、6個でどうにかなるでしょとそのまま使ってみました。
これが大正解で、自分のキャストミス以外でバックラッシュはほぼ皆無。
遠心のブレーキに近い感覚で使えます。
ブレーキの強弱は、マグネットの数以外にブレーキダイヤルでもできますが、僕はダイヤル4を基準にしてます。
5g以上あるプラグとかであれば、3まで落とすと気持ちよく飛んでいきます。
なので、ブレーキ設定のおすすめは、
ブレーキマグネット 6個
ブレーキダイヤル4 を基準にルアーによって前後0.5~1ずらす
もしかすると、シマノのDCブレーキやダイワのSVから入った人は、サミングが苦手なのかもしれませんね。
僕も上手くはないですが、サミングすれば正確にキャストできるし、バックラッシュも頻度は全然違います。
結局、DCでもSVでも、狙ったところに落とすにはサミングは必要なので、やってないという人は意識してみるのもいいかもしれませn。
重量(自重)について
165gと軽量なので、そのメリットを活かすためにもロッドも軽量なものがおすすめです。
エクスプライドの164L-BFS/2 を使ってますが、ロッド重量100gなので、リールと合わせても265g。
ロッドも取り回しの良い、64なので、片手で気持ちよく振り抜けます。
巻き心地
僕が右投げ右巻き派で、左巻きが苦手ということもあり、そもそもスムーズに巻けてないですが、これと言って特筆する巻き心地ではないです。
もちろん充分スムーズで、巻きやすいですが、マイクロモジュールギアと比べると当然見劣りはします。
ここは必要十分といったレベル。
剛性感
軽量ですが、ハガネボディ採用なので、剛性感がばっちりです。
まだ、数回の使用なので、参考程度になってしまいますが、少なからず、サンデーアングラー程度の使用回数であれば、数年問題ないレベルではないかと思います。
総合評価
コスパ |
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飛距離 |
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巻き心地 |
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剛性感 |
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総合評価(おすすめ度) |
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まとめ
購入してよかった、本当におすすめできるベイトフィネスリールです!
最初の1台という意味だと、値段がほとんど同じ、17スコーピオンDCがおすすめですが、2台目であれば、釣りの幅が広がるスコーピオンBFSがおすすめ。
今度は、それぞれのルアーで、飛距離測定して、どこまで軽量ルアーがキャストできるかも調べて追記しますので、それまでお楽しみに。