今やなくてはならないルアーの一つとなった、バックスライド系ワーム。
カバーの奥の奥を攻めれるので、ボート、オカッパリ、フィールド問わず、使用している人も多いこの手のルアー。
その中でも、元祖にして王道とも呼べるのが、ゲーリーヤマモトのファットイカ。
一見、「こんなんで釣れるのか?」と思ってしまうビジュアル。
そんなビジュアルからは想像できないほどの釣果を叩きだしてくれます。
僕自身、多用していて、1位、2位を争う釣果を出しているルアーで、オカッパリにおいては、最強のワームだと思っています。
もちろん釣りに行くフィールドにもよりますが、普段いく場所であれば、ファットイカだけあれば、他のワームはいらないレベルです。
そんなファットイカですが、「どうやって使うの?」、「どんな時に使うの?」、「フックサイズは?セッティングは?」と聞かれることがよくあります。
ルアーなので、使い方は自由なのですが、慣れていない人、初めて使う人には基本的な使い方がわかっている方がとっかかり易いと思うので、自身の経験から、解説をしていこうと思います。
スペック
全長(mm) | 100 | ||
---|---|---|---|
重さ | 約12g | ||
値段 | 1,700円/10本 |
自重は、約12gですが、その重さ以上の飛距離がでます。
最近のバックスライド系ワームの自重が15~20g。
ファットイカの方が軽いはずなのに飛距離は同じか若干ファットイカの方が飛ぶかな?というレベル。
フラスカート以外、余計なパーツがついていないからでしょうか。
しかし、このフラスカートがキモで釣れ続けるワームになっています。
セッティング
ファットイカの基本リグはノーシンカーです。
もちろん、テキサスリグでも直リグでもヘビキャロでも使い方は自由ですが、まずはノーシンカーリグで使ってみることをおすすめします。
おすすめフックサイズ
フックサイズに悩む方が多いようですが、おすすめのサイズは、#4/0 か#5/0 のフックです。
個人的には、4/0のフックをよく使います。
ちなみに4/0フックと5/0フックの自重。
上が4/0、下が5/0です。
#4/0でも20cmのバスにガッツリフッキングするのとフックを小さくすることで、フックによる自重や影響力を減らして、ワーム本来の動きを出す狙い。
こんなサイズでも丸のみ↓
フックの種類はワイドゲイプのものであれば、なんでもOKです。
オーナーでもがまかつでも好きなメーカーのを使用してください。
個人的にには、どこの釣具屋さんにも売っていて、値段も安定して安いデコイのキロフックを愛用しています。
ファットイカをよく使用しているロボ奥田こと、奥田学さんは、#2/0フックを使用したりもしてるので、いろんな使い方を試したい人は試してみるのもいいかもしれませんね。
尚、奥田さんが小さいフックを使用するのは、巻いた時にフラフラ泳ぐので、巻物的に使えるからだそうです。
フォールでも釣れて、その後にただ巻きでも釣れるという一石二鳥の合理的なセッティングです。
バックスライドセッティング(逆刺し)
フラスカート側から、フックを刺してセッティングします。
一番、多用されるセッティングです。
このセッティングだと着水後、バックスライドしながらフォールして行きます。
フォール時は、スカートが纏まって、スーッとバックスライドフォール。
ラバージグなどと同様にボトムバンプさせる容量で、ロッドを煽ると、スカートがフワッっと膨らんで、その後、またスカートが纏まってフォールして行きます。
ダートセッティング
スカートと反対側(お尻側)からフックを刺してセッティングします。
このセッティングだと、トゥイッチした時に左右に首を振るようになります。
バスの活性が高い時や表層から中層で反応が良い時に有効です。
また、バックスライドセッティングとは違い、細い方が前になり、根掛かりが若干しにくくなるので、ズル引きにも向いています。
おすすめカラー
ファットイカで圧倒的人気なのは、青木大介氏が使用して爆釣していた、「206.シナモングリーンフレーク」だと思います。
このカラーは、巷では「神カラー」と言われているそうです。
ただし、僕の神カラーは違います。
僕の神カラーは、「341-235.ブラウンブルーギルブラックブルーラメ」です。
ファットイカを卸しているスミスのHPにこのカラーが載っていないので、正式名称はわかりません(-_-;)
このカラーは、ぱっと見だとボディ部分が黒いのですが、実はスモーク系のカラーなんです。
水に入れると青いスカートとスモークボディ。
食わせのスカートはシルエットがはっきりして強いカラーの青。
ボリュームのあるボディは、ぼやけるスモーク系。
いかにも釣れそうなカラーです。
実績も圧倒的です。
使い方と有効な状況
基本はバックスライドフォール
1番実績のある使い方です。
状況としては、立木、ブッシュ、アシなどのカバー周りを狙う時がメインです。
バックスライド系のワームの解説動画などを見ていると「バックスライドする幅を考えて、狙っているところの20cm位手前に着水させる」という説明をよく見ます。
確かにバックスライド系ワームの使い方としては、その通りだと思います。
ただし、ファットイカに関しては手前に着水は不要です。
そのまま、カバーに対してタイトに落としてください。
同じバックスライドなのに何故ファットイカは違うのか?
それは、スライド幅にあります。
最近のバックスライド系ワーム、ガンクラフトのボムスライドやジャッカルのカバースライドなどは、スライド幅は非常に大きいのです。
その為、そのスライド幅を計算して手前に落とす方が、スライドフォールを活かせるので、より釣れるという事です。
ですが、ファットイカは、スライド幅が短いので、あまり手前に落としてしまうとカバーをタイトに狙えません。
水深にもよりますが、水深が50cm位しかないなら、5cmも手前に落とせば十分です。
1m位なら5~10cm位手前。
つまり、何cm手前とか意識せず、普通にタイトに狙っていけば問題ないのです。
エビを意識した使い方
よくエビパターンという言葉を耳にします。
アフタースポーンで回復に向かうバスが捕食しやすいエビ系のベイトを食べている時期に効果的になることが多いパターンです。
バックスライド系は、エビが逃げ惑うような動きを演出できるので、エビパターンにも効果的です。
とはいえ、特別なことをする必要はありません。
エビがよくいる、アシ際、護岸際にファットイカをキャストして、着底したら、テキサスやラバージグやテキサスリグのボトムバンプをするようにロッドティップを軽く2~3回、ピッピッ!と煽り、ファットイカをボトムから浮かせます。
その後は、また着底するまでフォールの繰り返しです。
バスの状況次第では、水面付近まで浮かせるのも効果的です。
コツは、エビが逃げている様子をイメージしながら動かす事です。
ワームの基本 ズル引き
ファットイカに限らず、ワームの釣りはボトムを取るのが基本です。
そして、常にボトムを感じながら引いてくるズル引きも、テキサス、ダウンショット、ネコリグなど、リグ関係なくでも基本の使い方です。
ファットイカでズル引きをするときは、ザリガニがボトムをゆっくり這っている姿をイメージして動かすのがおススメです。
水中の枝や石に引っかかったら、軽くロッドティップを煽って外した時にバイトが多いです。
暑い日にシェードがあればチョウチン
夏~秋、アシ際にカエルが多かったり、トンボが水面を飛んでる時は、チョウチン釣りもおすすめです。
シェードになっているポイントの上に木の枝やアシがあれば、それに引っかけて、チョンチョンするとバフォッとバスが水面を割ってきます。
トンボを観察していると一瞬、水面に尻尾を付けて産卵している種類がいます。
バスは、この尻尾つけた瞬間や水面ギリギリを飛んでる時のトンボを狙っているのです。
チョウチン釣りをするときは、トンボが尻尾を水面に一瞬つける様子をイメージしてアクションさせるのがおススメです。
トゥイッチ
バスの活性が高かったり、積極的にベイトを追っている時は、逆さしではなく、ファットイカの尻尾側からフックを刺して、トゥイッチします。
左右にダートするので、バスが狂ったように食べてきます。
有効な状況はそこまで多くないですが、マズメの時間帯にトップには出ないけど、水面付近を意識している時に効果的です。
なぜファットイカがおかっぱり最強なのか?
冒頭でもお伝えした通り、ファットイカはオカッパリで最強のワームと言っても過言ではありません。
もちろん、使う側の釣りのスタイルやスキル、その時のポイントの状況によって変わりますが、一つの軸になるルアーです。
では、何故ここまでファットイカが良いと言えるのか?
理由は3つあります。
①特別なタックルが要らない
②飛距離が出る
③フォールスピードが速い
①特別なタックルが要らない
オカッパリでメインに使用するロッドは、6.5フィート ~ 7フィートのML~MHクラスのロッドが多いです。
ファットイカは、そのクラスのロッドで扱えるので、専用ロッドが不要です。
リールに関しても、カバーを狙うので、12lb以上は欲しいですが、通常オカッパリのベイトリールで12lb以下を巻く人は少ないと思います。
普段釣りに行くときのルアー交換の一つにファットイカが入るだけなので、専用タックル不要です。
②飛距離が出る
自重約12gですが、それ以上の飛距離が出ます。
18g前後のバックスライド系と同等かそれ以上の飛距離が出ます。
飛距離はオカッパリにとって、重要です。
30m先のアシ際やオーバーハングに落としたいというのも可能です。
③フォールスピードが速い
上記2つは、他のバックスライド系でも大差ないので、ファットイカが最強という理由には少し弱い。
なので、3つ目の「フォールスピードが速い」が一番のメリットになります。
上述の通り、ファットイカのバックスライド幅は短いのです。
バックスライド幅が短いということは、ボトム着底が幅広いものに比べて早くなります。
フォールメインの釣りになるので、フォールスピードが速いと手返しがよくなり、より多くのポイントを打て、バスに出会える可能性が上がります。
ここで、「それならテキサスとかラバージグの方が手返しよくない?」という疑問が上がります。
もちろん、手返しのみで言えばそうです。
なので、ボートでの釣行なら、同じポイントを狙うにも僕は、ラバージグやテキサスを使います。
なぜか?
ボートの釣りは、基本一か所に止まって釣りをしません。
常にボートがエレキや水の流れで動いています。
なので、手返しの良いラバージグやテキサスの方がより多くのポイントを打てます。
そもそも、全体的にオカッパリよりもボートの方が圧倒的に打てるポイントが多いので、「釣れる魚を効率よく探す」に重点を置きます。
ですが、オカッパリは、打てるポイントが限られるので、「そのポイントにいる魚をどうにかして釣る」がメインです。
その為、バスをゲットするには、どうしても食わせに寄った釣りになっていきます。
オカッパリで狙えるカバーは、基本的に水深が浅いので、ストンッとボトムまで落ちるテキサスやラバージグよりも、フワ~と落ちていくノーシンカーに反応が良いことが多い。
そして、オカッパリは、ボートのように足場が動かず固定されているので、より丁寧にポイントを打っていけます。
丁寧に打てて、食わせの要素もあり、手返しもいい。
それがファットイカなのです。
おすすめタックル
ファットイカが扱いやすいタックルをおすすめします。
ここに記載するタックルセッティングじゃなくても全然問題ないので、ご自身にあったセッティングを見つけてください。
ロッド
ロッドは、カバーを狙うことが多いのとファットイカ自体の重量は10g以上あるので、MHクラスのロッドが一番使いやすいです。
長さも一般的な6.6フィート~7フィート前後のものが使いやすいです。
ただ、MやMLクラスで問題なく使えるので、普段使用しているロッドでOKです。
MHクラスのロッドおすすめ
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シマノ派ならエクスプライド
質実剛健 フルモデルチェンジしたメジャークラフトデイズ
リール
カバーを狙うので、オカッパリなら最低でも12lbが50mくらい巻けるリールが欲しいです。
なので、ベイトフィネス用のリールだと厳しいです。
また、基本は打ちもので、ピンスポットを狙っていく釣りです。
その為、フォールでバイトがなければ回収するという作業も多いので、回収が速いハイギアモデルがおすすです。
それ以外のベイトリールならなんでもOKです。
リールのおすすめ
コスパの良さで圧倒的人気のダイワ タトゥーラSV TW
飛距離と扱いやすさを求めるならシマノ 17スコーピオンDC HG
ライン
ラインは、オカッパリで使いやすい12lb ~ 16lbがおすすめです。
ナイロンでも、フロロでも、PEでも自分のスタイルにあったラインを使ってください。
おすすめライン
根擦れに強いナイロン最強ライン GTRウルトラ
フロロなら視認性最高のサンラインAZAYAKA
あとがき
ワームなのに魚の形をしている訳でも、ミミズや虫の形をしている訳でもない。
そのくせ、ボリュームも結構ある。
一見、釣れなそうなワームですが、長年どの釣具屋さんに行っても大体置いてあるのは理由があります。
一度、普段ご自身が通われているフィールドで使ってみてください。
きっと、良い釣果を叩き出してくれると思います。