池の水ぜんぶ抜くといえばテレ東の人気企画。
視聴率が取れるのか全国の池やお堀で水を抜きまくって、掃除したり外来魚を駆除していろんな意味でキレイにする企画です。
釣り、特にバス釣りをしない人からみたら面白い企画ですし僕もやっていたら見てしまいます。
とはいえこの企画、実は過去に炎上してます。
外来魚を駆除するどころか専門家が不在で在来種も多数死んでまったとか。。。
そんな池の水をぜんぶ抜くですが、今度は用水路の水を抜こうというのです。
その場所を見て驚きました。
なんと、潮来の前川。
しかも、「道の駅いたこ」の目の前。
僕も何度も行ってて、釣り人も多いですし人気の釣り場です。
このブログでも釣行記を投稿してます。
そんな前川の水ぜんぶ抜く企画が実施前から炎上してるというのです。この記事の目次
なぜ炎上?
なぜ炎上してるのか毎日新聞の記事になっていたので引用します。
茨城県潮来市内の農業用水路で10月、テレビ東京系のバラエティー番組「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」の撮影がある。市にとっては粗大ゴミを撤去し、バスなどの外来魚も駆除して水郷の原風景をよみがえらせる絶好の機会だ。だがバス釣りの愛好家たちは「外来種も生物」などとインターネット上で駆除に反発。市役所に抗議電話が相次いでいる。【根本太一】
番組では、水をくみ上げて現れた外来生物やゴミを地域住民に協力してもらって取り除き、池などを浄化する。長野・善光寺の池などでも実施された。
今回の対象は、潮来市東部を流れる幅約7メートルの用水路約1・3キロの区間。両端をせき止めて約3万トンを排水する計画という。この用水路にはブラックバスが生息し、愛好家たちがバス釣りを楽しんでいる。
用水路は東関東道・潮来インター出口に近く、用水路の前にある「道の駅いたこ」(潮来市前川)には、年間200万人以上とされる鹿島神宮(鹿嶋市)の参拝者らが立ち寄ることが多い。用水路は1級河川の前川に流れ込み、市街地へと通じているため、市は用水路を浄化して観光船を運航させ、道の駅の客に市街地まで来てもらいたい考えがある。
市街地を流れる前川では、初夏と秋に手こぎの櫓(ろ)を使う「ろ舟」が往来している。市はさらなる街のにぎわいにつなげようと、道の駅を発着する観光船の運航を検討していたところ、番組収録の打診があったという。
市や水路を管理する「潮来市土地改良区」は、家電製品などが不法に投棄されていると見込んでいる。このため、撤去作業は担当するが、専門業者による水抜き費用はテレビ局側が負担するという条件を快諾した。
ところが、番組の予定を知った釣り愛好家を名乗る人たちが、ネット上に「もう潮来には行かない」、「(釣り客が減って)飲食店に金が落ちず経済的な打撃を受ける」などと書き込んでいる。市には全国から200件以上の抗議メールや電話が寄せられているという。
市の担当幹部は「潮来に日本一の水郷・水路を整備するのが目的だ。番組関係者らの協力を得て臨むので、理解してほしい」としている。
すごく簡単に要約すると。。。
用水路の水を抜かれてブラックバスが駆除されるとバス釣りしてる俺たちが困る!それだけじゃなく釣り人がお金を落としてる周辺の飲食店やコンビニなんかにも影響が出て困るぞ!
と言ってるのです。
もちろん全てこういう抗議ではないと思いますが大半がこういうことなんだと思います。
でもこの理屈って本当なんでしょうか?
釣り客がどれくらいお金を落としているかエビデンスがない以上この理屈は難しい気がします。。。
僕もそこまで詳しくはないですが、潮来周辺の釣り事情を知らない人のために少し掘り下げてみたいと思います。
なぜそこまで釣り人(バサー)は反対するのか?
バス釣りをしてる人達はなぜ反対するんでしょうか?
人によって反対する理由は違うと思いますが、ざっくりこんな感じの意見が多いです。
- ブラックバスが釣れる場所がなくなる(減るから)から
- 外来魚とはいえ生き物を大量に殺すのはよくないから
- 釣り場周辺の施設・飲食店などに釣り人がいかなくなり経済的にダメージがでるから
それぞれ今回の潮来 前川のケースと紐づけてみて行きましょう
ブラックバスが釣れる場所がなくなる(減るから)から
僕も含めて、バス釣りが大好きな人であれば理解できる理由かと思います。
気軽に釣りに行ける場所がなくなったり減ったりするのは悲しいものです。
こういう駆除運動が当たり前になればバス釣りできる場所は全国に数か所しかなくなる。。。なんてことにもなりかねません。
ただ、今回のケースに当てはめると。。。
潮来周辺ってバス釣りできる場所がもの凄く多いんです。
前川と繋がっている、常陸利根川、鰐川、北浦、その他の水路などなど。。。
都内に住んでる人からすると羨ましいくらい釣り場(ポイント)が豊富です。
地図を見ればわかりますが、北浦に繋がっている河川はほとんど全てブラックバスが釣れます。
そして、その釣り場の数は相当あります。
記事の通り、前川に観光船が行き来するようになって釣り禁止になったとしても、はっきり言って釣り場には困らないと思います。
ため池など他の水域とほとんどつながりが閉鎖された水域であれば、駆除されればもうそこでは釣りはできないでしょう。
でも、前川は常陸利根川、鰐川と繋がってます。
なので貴重な釣り場が減るのは事実ですが、釣り場がなくなるのとは違います。
外来魚とはいえ生き物を大量に殺すのはよくないから
これはよくわかります。
こういう企画で駆除された外来魚は恐らく肥料などに使われるのだと思いますが、自分が好きな魚が殺されるのを見るのは気分が良いものではありません。
それだけ釣れる魚が減るということにもなります。
ちなみに真偽はわかりませんが、全国的にブラックバスの数は減ってると言われています。
生態系が落ち着いてきたということでしょうか。。。
釣り場周辺の施設・飲食店などに釣り人がいかなくなり経済的にダメージがでるから
釣り人の主張でよく出てくる意見です。
釣りに行くと基本的には現地のコンビニや飲食店でご飯を食べます。
それ以外にも釣り場近くの釣具屋さんに行くこともあります。
確かに釣り人がよく行く飲食店っていうのはあると思います。
「ここの釣り場にいったらここのカツカレーは食べなきゃ!」
みたいなお店です。
ただ釣り人がいかなくなったら潰れてしまうか?と言われるとどれくらい釣り客が売り上げを占めてるかによるので単純ではないと思います。
パレートの法則に当てはめた時、釣り人は20%側なのか80%側なのか。。。
ちなみに今回のケースで考えると上述の通り、釣りのポイントの1つが釣り禁止になるかもしれませんが、周辺には他にも超有名なポイントが多数あります。
つまり、水を抜いたのが原因で釣り客は減らないと思います。
という事は周辺の施設や飲食への経済的ダメージって。。。
僕自身、潮来付近にバス釣りに行くと前川は必ずチェックしますが、仮に釣り禁止になったとしてもいくらでも他にポイントがあるのでそこに行きます。
前川が釣り禁止になったから潮来に釣りに行かないという人はいないんじゃないでしょうか?
まとめ
今回の前川のケースに限って言えば、
・釣り場は減るが周辺に多数あるので釣り人として大きなダメージはないのでは?
・周辺に釣り場が多数あるので近隣施設・飲食店へのダメージはほとんどないのでは?
・生き物を殺すということについては個人の感情になるけどバス釣りしない人から見ると気にならないかも。。。
なので、もし記事に書いてあるクレームが釣り人から寄せられたものであれば、「それは理屈として通らなくない?むしろ観光船がうまく回れば経済的に美味しくなる可能性すらあるのでは?」と思ってしまいます。
繰り返しますが、これは今回のケースに限っての話ですし、個人的見解です。
感情で話せば、僕もバス釣りは大好きなので絶対反対です。
ただ、頻繁に行く釣り場じゃないからというのもありますが、記事を読んでるだけだとなぜそんなにクレーム入れるの?と思ってしまいます。
記事では全貌がつかめないからかもしれませんが。。。
釣り人にできること
それよりもバス釣りをしない人からしたらブラックバスは外来魚で在来種を食べつくしてしまう悪い魚!というイメージが強いと思います。
本当に食べつくしてしまうかのか否かという議論はいろいろあって、僕も勉強不足でなんとも言えません。
ブラックバス程度じゃ生態系は壊れない派と簡単に壊れる派、どちらも自分達の都合のいい意見を言ってるように聞こえなくもないので。。。
ただ日本において外来魚として登録されてしまっているのは紛れもない事実です。
詳しく知りたい人は書籍がいろいろ出ているのでそちらを読んでみてください。
見えない脅威“国内外来魚”: どう守る地域の生物多様性 (叢書・イクチオロギア)
このように少なからずバス釣りは、一般的には負のイメージが強い釣りです。
そんな中で釣り人ができることって人として当たり前のマナーを守ることだと思います。
迷惑駐車や釣りで出たゴミのポイ捨て(たばこの吸い殻含む)。
釣り場の数に対して釣り人口が多いからというのもあるかもしれませんが、関東の釣り場のゴミのポイ捨ては非常に多く感じています。
最近、福岡や熊本に釣りに行きましたが市街地で大人から子供まで誰でも来れる釣り場なのに釣りで出たゴミはほとんど見ませんでした。
感覚的には関東の1/10以下です。
これが原因かはわかりませんが、市街地のため池なんかはほとんど釣りが許可されてますし、住民の人もそれが当たり前のような雰囲気です。
釣りに関する立て看板よりも犬の糞の始末をちゃんとしろという看板が多いです笑
そこに住んでいないので本当のところはどうかわかりません。
人口が増えれば危険も増えるので単純な比較もできません。
それでも関東、特に首都圏にこんな釣り場沢山あればいいなと思える環境でした。
僕自身、今一度自分はちゃんとマナーを守れているか、もっとよくできないか考えるいいきっかけになりました。